ほにや

2006〜2010 ほにやと映画『君が踊る、夏』の軌跡

~映画のはなし~

偶然の出会いから始まった「君が踊る、夏」

2006年、徳島で開催された映画公開イベント。その場には四国各地域のお祭りがお祝いに駆けつけました。
「ほにや」は高知代表として出演し、よさこい祭りのルーツ阿波おどりへのおもいを胸に、阿波踊りの聖地でよさこいを披露しました。
その数日後、ほにやの演舞に感動した映画プロデューサーから電話が。

彼のひと言――
「よさこいの映画をつくりませんか?」
この偶然の出会いが、よさこいを題材にした映画『君が踊る、夏』誕生のはじまりでした。

映画制作のコンセプトは「命のリレー」。
若者たちの情熱、家族への想い、そして高知の祭りに込められた“生きる力”を描こうと、企画が練られていきます。

【準備編】0から1をつくる日々

2009年、撮影に向けた準備が本格始動します。
まず必要だったのは、「リアルなよさこい」の台本。まずは台本づくりに約2年半の時間がかかりました。

高知県への撮影誘致やロケハンにも携わらせてもらい、映画というモノづくりの面白さを感じながらも、よさこいが映画になるような話しをなかなか信じてもらえずスムーズに進行できないことも多くあり、映画化への難しさを感じたことが幾度とありました。

また、主演の溝端淳平さんをはじめ、キャスト陣が「よさこい未経験」だったため、ほにやメンバーが踊りの指導を担当。
演技と踊りの両方を習得するためのリハーサルがほぼ毎日続けられました。

また、地方車、衣装、鳴子、演舞構成などの演出要素についても、リアリティを大切にしながら「映画用によさこいを再構築」する日々が続きます。

【撮影編】高知の夏、よさこいの熱(其の十一〜其の十五)

クランクイン初日、仁淀川の沈下橋で、撮影がスタート。

「君が踊る、夏」がはじまりました。

「よさこいの映画をつくりませんか?」の一言から約3年半。やっとこの日を迎えることができました。

高知ロケはドンドン進んでいきます!

そして、メインとなるお祭りシーンの撮影がスタート。
2日に渡り、追手筋を封鎖した撮影が始まりました。2日間とも高知は晴天。スタッフ、キャスト、地元のエキストラの方々、そして「ほにや」のメンバーたちが一丸となり、よさこい祭りの熱狂を映像に刻みます。

追手筋でのリアルな演舞場を再現し、実際のよさこい祭りと並行して撮影が敢行されるという前代未聞の挑戦も。
その中で、演出と現実の狭間で揺れ動きながらも、「本物以上の本物」を求めて撮影は続けられました。

演者の汗、観客の声援、踊りの迫力……
スクリーン越しに「本当の夏」を伝えるために、1シーン1シーンが真剣勝負でした。

【完成編】作品に宿る“想い”のリレー

クランクアップ後、東京での編集作業が終わり。

ついに『君が踊る、夏』は、2010年9月公開となります。
舞台挨拶にはキャスト陣とともに、監督や関係者が登壇。
公開初日はスタンディングオベーションが巻き起こり、高知では大ヒット映画と並ぶ動員数を記録し、ロングラン上映が行われました。

「映画のはなし」から伝えたいこと

この記事は、映画制作の裏側を「ほにや」目線で追った記録です。
単なるプロモーションではなく、”よさこい”が映画になることの意味、そして、”踊る人たちの人生が動く瞬間”が描かれています。