よさこい祭りがはじまったのは1954年のこと。

南海大震災、そして、高知大空襲と戦後の大変な時代に
高知の人々を笑顔にしたい、元気にしたいと、
なんとか高知商工会議所が中心となって立ち上げたお祭りです。

その当時は、まだ数百人という小さな何規模で行われていましたが、
高度経済成長期になると、テレビ中継も始まり、
徐々に「高知県を代表するお祭り」として、全国に浸透し始めていきました。

元々の高知県民気質でどんどん新しいことに挑戦し、
洋楽器を取り入れたり、サンバを取り入れたりと、時代時代の進化をしてきたように思います。

1970年代には、大阪で開催された日本万国博覧会に参加。
世界へ向けてよさこいをアピールするいい機会となりました。

そして、時代は昭和から平成へ。

各チームの衣装や地方車はこれまで以上に個性と豪華さを増し、
楽曲・振り付けもどんどん進化していきました。

札幌へ飛び火し、日本全国“よさこいブーム”が巻き起こり、
ここ高知県では地元の受賞チームと各県の代表チームが凌ぎを削りあうようになってきました。

現在では、日本で約20ヶ所、海外で29ヶ所というデータもあります。

ほにや代表の泉は、これまでのよさこいの歴史をこう振り返ります。

高知県でよさこいが始まったばかりの頃は、
ごく近い周りの人達と踊りを楽しみ笑顔を増やしてきた。
さらに、当時のよさこいは企業や団体の宣伝活動というイメージが強く、
参加すれば報酬が支払われるチームもあった。

こうした現実を目の当たりにし、

「このよさこいの楽しいパワーをもっと生かせないものか・・・」
「もっとかっこいいチームをつくりたい」
「県外からも見にきてもらえるお祭りにしたい」

と思うようになりました。

そして、新しく取り入れたのは「衣装をデザインする」ということ。
しかし、それでもまだ何かが足りない。

ほにやよさこい結成 〜踊る人も見る人も笑顔に〜

踊り子とお客さんの間には、大きな壁がある。
「踊ってあげている、見せてあげている。」
そんな気持ちでお客さんを笑顔にするのは難しい。

よさこいの良さも楽しさも伝えられるチームが必要だと思いました。
この状況を少しでも変えたいと、1991年、150名の踊り子たちと約30名のスタッフを率いて、『ほにやよさこい』を結成しました。

踊り子さん、お客さんに喜んでもらうために挑戦をやめない。
ほにやよさこいは、毎年コンセプトを決め、その音楽・踊り・衣装を創ってきました。
しかし、何でもありのよさこいの中で、
和楽器だけの曲、和を取り入れた衣装は
最初から評判が良かったわけではありませんでした。

4年間で理想のチームを創ってやめようと思っていた計画は甘く、
心折れそうな3年間はあっという間に過ぎてしまいました。 

ほにやのよさこい踊り

続けることができたからこそ今がある

お祭りの最終日、少しばかりの達成感と諦めが交差する帰り道ある少女から言われた言葉がありました。

「ほにや楽しかった!来年も踊るき、またやってよ!」

この言葉に背中を押してもらいました。
一つ一つの“作品”に対して、妥協はしたくないと思えたのも、
それに応えてくれる踊り子さんとスタッフがいたからこそでした。

踊り子たちも、それを支えるスタッフたちも、みんな正面からよさこいに取り組む。
本番前日まで調整を繰り返すことも、決して珍しくはありませんでした。

ほにやが目指すよさこい
「踊る人も見る人も一緒に楽しめるよさこいを創る」
という漠然とした、しかし、強い・熱い思いに突き動かされていきました。

そんな努力が実ったのか、7年目には「地区奨励賞」
そして、「よさこい大賞」や「金賞」をいただくことができました。

そして、ほにやがモデルとなった映画『君が踊る、夏』が
高知ロケを約束に撮影が行われ、2010年9月に全国公開されました。
撮影当時は、高知市の追手筋、梅の辻などを封鎖し撮影が行われました。

喜んでもらうために挑戦をやめない

ほにやよさこいは、毎年コンセプトを決め、その音楽・踊り・衣装を創っています。
その年々の世界観を楽しんでいただき、お客さまと一緒に創りあげるスタイルで、
一体感が生まれ、広がっています。

たとえば、2004年の「かぐや月」や2005年「お伽草子」などは、
幻想的な世界観を表現した衣装と、それを生かす振り付けになっています。

その後の2006年からつづく夢シリーズ「夢見見聞録」「夢写楽」「夢羅針盤」などは、
「夢を追いかけ挑戦する」ことの大切さを見てくださる方々に届けたいと創ってきました。

2015年の【ほにやよさこい】25周年では、
過去のほにやの楽曲、踊りなどをミックスアレンジし、
今までほにやを応援していただいた皆さんと一緒によさこいを創ることに挑戦しました。

これからのほにやよさこい

よさこい祭り67年の歴史の中、初めての中止が決定されました。
そして【ほにやよさこい】30周年記念となる年でもありました。

よさこい祭りは、戦後、震災後の復興を目指し、
人々に笑顔を取り戻してもらうことを願い、誕生したお祭りです。

こんな今だから、再びよさこい祭りが開催されるその時まで、
ほにやは準備していきたいと思います。

その時には、笑顔で皆さんにお会いできることを楽しみにしております。

 

#おかえりよさこい